家を貸したときの体験談をお伝えします
以前の記事で、大阪でもリノベーションをした中古マンションに住んでいたという話をしましたが、今はその家は賃貸に出しています。
東京に戻って来たのが3年前ですが、その時に賃貸に出して入れ替わりで入居されていた方が今年の3月に退去されました。その後、無事次の入居者も決まって、今は新しい方に貸しています。
もともと大阪の家も、いずれは貸すつもりで住んでいたのですが、いざ賃貸に出すとなると、何をしなければいけないかよく分かってなかったので、これまでのことを体験談としてお伝えしたいと思います。
リノベーション有無に限らず、なんらかの事情で住んでた家を賃貸に出すことを検討されてる方は、是非参考にしてみてください。
まずは賃貸を仲介してくれる不動産業者を探します
まず、することは賃貸を仲介してくれる不動産業者さんを探すことです。
すでに知り合いの方がいらっしゃったり、何らかのツテで紹介してもらえるところがあれば、そちらに依頼されるのが1番良いと思います。
ツテがなければ購入時の業者さんに相談してみましょう
ただ、私たちもそうでしたが、そのようなツテがない人が大半なのではないかと思います。そこで私たちは、その物件をリノベーションした業者さんに連絡を取り、そのような不動産業者さんを紹介してもらえるかを確認してみました。
物件売買の仲介をしてくれた不動産業者さんに連絡をとっても良かったのですが、リノベーションをした業者さんとのお付き合いの方が深かったので、先に確認してみることにしたのです。
そうしたらなんと、物件の情報を渡して何社かに声をかけて家賃の見積もりを依頼してくれて、1番高い家賃を出してくれた不動産業者さんを紹介してもらえることになりました。そこまでしてもらえるとは思ってなかったので、とても助かりました。
賃貸の仲介を委託します
不動産業者さんを紹介してもらった後は、その業者さんと一緒に賃貸条件と仲介手数料とサポート範囲について決めました。
賃貸条件を設定します
賃貸の条件については、家賃、敷金、礼金の設定をどうするかを決めるのと、入居の条件を決めます。
ペット飼育可能だと家賃アップできます
入居の条件については、とくにこだわりがないのであれば無くても良いのですが、ペット飼育可能かどうかは家賃設定に大きく影響します。ペット飼育可能な物件はかなり少なく、その分家賃も上乗せして設定できるとのことです。
細かい内容については不動産業者さんから内容の説明と提案があると思うので、それについて判断してもらえれば良いと思います。私たちの場合はだいたい下記のような設定になりました。
- 敷金:なし
- 礼金:家賃2ヶ月分
- 賃貸条件:ペット飼育不可、家賃保証へ加入
- 仲介手数料:家賃2ヶ月分
基本的には提案していただいた内容そのままで、進めることにしました。礼金は2ヶ月は少し多いかなとも思ったのですが、不動産業者さんが礼金分を仲介手数料としてもらうという提案だったので、それできちんと契約を取ってきてくれるならいいかなと判断しました。
サポート範囲を設定します
サポート範囲については、2パターンあります。借り手を探してもらい賃貸契約を結ぶまでの業務の代行を依頼するパターンと、それに加えて入居後の管理業務の代行も依頼するパターンです。
管理業務の代行では家賃の5%程度を委託料として支払うことで、入居後の様々な管理をお任せすることができます。
- 月々の家賃の回収
- 入居後の問い合わせやトラブル対応
- 建物の管理
管理代行については、初めはお願いしようかと思ってたのですが、その業者さんがある種サービスで問い合わせの一時窓口は今後もするので、委託料は浮かして利益をしっかり残したほうが良いですよとのアドバイスもあったので、それに乗ることにしました。
管理業務は委託したほうがよいです
ただ結果的には、管理代行についても、きちんと委託することをお勧めします。後述するような家賃振込の認識齟齬もあったりしましたし、担当の方が当時の会社から別の会社に移った後も問合せ窓口になっていたりと、やや属人的な部分がありました。
もちろん、何の契約も結んでいない中、問合せ窓口もサービスでやっていただいていたので、そこはとても有難たく助かりましたが、不動産業者さんがどこまで対応してくれるのか不明瞭で、少しヤキモキしましたし、そういったことで気をもむなら、すべてお任せで依頼したほうがよいと思います。
自宅を貸すための各種手続きをします
また、自宅として住んでいたマンションを賃貸に出すためには、しなくてはならないことがいくつかあります。
住宅ローンの返済をします
1つめが住宅ローンの返済です。住宅ローンの返済中の家を貸してしまうことは住宅ローンの契約違反になります。そのため返済が必要です。返済できる資金が手元にない場合は、住宅ローンからアパートローンへの借り換えが必要です。
手元資金がない場合はアパートローンに借り換えましょう
私たちはギリギリ手元資金で一括返済できるローン残高だったのですが、そうすると貯金がまったくなくなってしまうため、アパートローンへ借り換えを考えていました。しかし、住宅ローンを組んでいた金融機関に借り換えの希望を伝えたところ、そもそもアパートローンを取り扱っていないという回答をもらったので、金融機関を乗り換える手間も考えて手元資金で一括返済することにしました。貯金が一時的にほぼなくなってしまったので、若干不安ではありました。
火災保険の家財部分を解約します
2つめが火災保険の解約です。火災保険については、自宅用であれば建物と家財の両方の保険に入っていると思いますが、賃貸に出すのであれば家財の保険は不要なので解約が必要です。こちらは保険会社さんに連絡して手続きを行います。
マンション管理会社の手続きをします
3つめがマンション管理会社への手続きです。私たちの物件では賃貸に出す場合はマンションの管理組合に書類を提出する必要がありました。また、修繕積立費や管理費と水道利用料に関しては管理会社を通して請求が来ていたのですが、水道利用料に関しては今後の入居者さんへの請求にしてもらうことも合わせて依頼しました。これは、それぞれのマンション管理組合や管理会社によって違うと思われますので、ご自身のマンションで確認してもらえればと思います。
契約〜入居中の対応をします
不動産業者さんが決まったら、その後はほとんど不動産業者さんが主導して全てを進めてくれるので、受け身でいれば大丈夫です。
入居者の審査をします
さまざまな媒体に物件の賃貸募集をのせてくれて、借主候補の方が出てきた場合は、選別をしてくれて、連絡をもらえます。中には、少し怪しげな会社が社宅として使いたいという引き合いもあったみたいですが、他に安心できる候補もいたので、不動産業者さんの方でお断りされてたりしました。
入居まではすべてお任せできます
借主さんが決まったら契約書を取り交わして、入居の案内や鍵の引き渡しをすることになりますが、私がしたのは契約書のサイン程度で、全部を代わりにやってくれたので報告を受けるのみでした。
なので、初めてのことでドキドキしてましたが、何のトラブルもなく、借主さんが入居できました。不動産業者さんには色々と問い合わせがあったのかも知れないですが、私のところに何か借主さんからの質問がエスカレーションされてくるようなものはなかったようです。
入居開始直後は少し注意が必要です
入居後に関しては、1つだけあったのが、家賃の支払方法に関してです。初回の家賃が支払期日になっても振込されていなかったことです。実は恥ずかしいことに、私も家賃の支払期日をきちんと認識しておらず、そのことに気づいてなかったのですが、不動産業者さんからの連絡で気づきました。
家賃は私の口座に直接振り込んでもらうことになっていましたが、原因はそれを借主さんがきちんと認識しておらず、支払期日が過ぎたあとに不動産業者さんの方に支払方法の問合せをされていたようです。
不動産業者さんのほうではきちんと支払われているかどうかも認識できないので、借主さんからの問合せでその問題を認識し、私にも毎月きちんと確認をするようにお願いがありました。
このように初めは認識齟齬が少しあったり、借主さんも不慣れなところがあったりするかもしれないので少し注意が必要です。
その後は何事もなかったです
その後に関しては、借主さんに恵まれたのか、毎月の家賃もきっちり振込していただき、物件の設備等のトラブルもありませんでした。途中、物件の大規模修繕が入り、ドアの入換と鍵の交換もありましたが、全てマンション管理会社と不動産業者さんへの連絡で完結しました。
その後3年たって借主さんから解約通知書が送られてきて、次の借主さんを探すことになったのですが、結局、3年間借主さんとは直接連絡を交わす必要は無かったので、管理のわずらわしさを感じたことは全くなかったです。
家賃収入を確定申告します
家を貸して家賃収入が入ってくるようになったら、その年から確定申告をして、その分の税金を収める必要があります。
初年度は専門家に依頼したほうがよいです
私はある程度の会計知識はあったので、自分で調べながら行ったのですが、結論から言うと、初年度は税理士さんなどの専門家の方に依頼するか、少なくても相談に乗ってもらうのがいいと思います。
減価償却費の計算が大変です
理由は減価償却費の算出の煩雑さにあります。
確定申告の際には、基本的には収入と経費を計算して記載していきますが、不動産の貸し付けに関する収入や経費はおおよそ次のとおりです。
収入に該当するもの
- 家賃
- 礼金
経費に該当するもの
- 管理費
- 修繕積立費
- 自治会費
- クリーニング費用
- 仲介手数料
- 管理委託費
- 減価償却費
- 固定資産税
- 火災保険料
- 借入利息
ご参考: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm
だいたいはその年に受け取った金額や支払った金額をそのまま記載すればよいものですが、火災保険料は契約期間から按分して経費計上する金額を算出する必要があるのと、減価償却費は国税庁の税務規定にのっとって計算する必要があります。
減価償却費の計算は、新築の物件を買って貸しに出す時は計算が簡単なのですが、今回のように、中古マンション+リノベーション+自宅からの賃貸、という場合にはそれぞれの要素が絡み合った計算が必要になります。
細かい計算は割愛しますが、下記のような考慮が必要で、それが組み合わさるとかなりややこしいです。
- 中古マンション:取得時の耐用年数の計算で経過年数を考慮する必要がある。
ご参考:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5404.htm
- リノベーション:資本的支出となるため個別に減価償却費の計算が必要
ご参考:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2107.htm
- 自宅からの賃貸:自宅として住んでいた期間分を償却したあとの残高を貸し付け時点の未償却残高として計算が必要
ご参考:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2109_qa.htm
これを見て理解出来る方は自力で計算可能だと思いますが、そうでない方は専門家へのご相談をお勧めします。
2年目以降は自力でもよいと思います
ざっくりネットで調べた感じでは、確定申告の代行費用は3万円くらいから対応してくれるところがありそうです。ちなみに確定申告の代行費用は、翌年度の確定申告で経費に入れることができます。
専門家に依頼する費用が惜しいという方は、初年度さえしっかり計算できてしまえば、2年目以降はその結果をもとに、自分で計算するというやり方でもいいと思います。
退去の連絡が来たら次の入居者を探します
借主さんが退去されるときは、退去予定日の1ヶ月以上前に解約通知書を送付してもらうことになっています。解約通知書を受け取ったら、さっそく次の入居者を探さなくてはいけません。
同じことの繰り返しです
特に不満が無ければ、同じ不動産業者さんに継続してお願いすれば良いですが、私の場合は前回担当してくれてた方が2人とも別の会社に移っていたので、不動産業者さんも別のところを探すことにしました。
別の不動産業者さんに依頼をしました
その時たまたま同じタイミングで、東京でもリノベーションすることを決めたので、前回同様に再度リノベーション業者さんに紹介してもらいました。
契約条件を確認して依頼しました
前回同様に、新しい不動産業者さんとも契約の条件を確認して決めました。前の不動産業者さんよりもよい条件を提示してくれたので、正式に依頼する事にきめました。
今回は様々なことでやきもきするのも嫌なので、入居後の管理代行についてもお願いすることにしました。24時間コールセンター対応や、家賃の口座振替など、とても個人ではできないサービスも含まれており、借主の方にとっても有益なので、やはり管理は委託した方がいいと改めて感じました。
引継ぎの擦り合わせを行いました
その後は前の業者さんと変な行き違いがないように、新しい不動産業者さんが退去の立会いから行うと言ってくれました。原状回復についても、一般的な内容をチェックするみたいなので、貸出時の状況は細かく分かっていなくても問題なかったようです。
不動産業者さんにも仕事ぶりの差がありました
依頼してから初めて分かったのですが、新しい不動産業者さんはかなりキッチリしており、その差にとてもびっくりしました。初めに家賃設定が適正かどうかを分析したレポートを送ってくれたり、入居募集中の際は週次で活動レポートを送ってくれたりしてくれました。
退去後1ヶ月くらいで次の入居者さんが決まり、空家期間は2ヶ月ほどでした。
みなさんの参考になれば幸いです
不動産業者さんもおっしゃってましたが、リノベーションした家であれば、借り手が付かないと言った心配をする必要はあまり無いようです。
もともと、新婚〜子供が小さい間を快適に暮らせるような間取りにリノベーションしていたのですが、前回も今回も正にそのような方に入居してもらえてるので、私たちも大変嬉しく思っています。
一般的かどうかは不明ですが、今回は私たちの体験談をお伝えしました。参考になれば幸いです。
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